ノートパソコンCMOS電池の交換

Fujitsu lifebook NH77/CD

更新日付 2020年10月2日



1.CMOS電池の交換に至った理由


ある日突然 PC の電源を入れたら,次のようなメッセージが表示された。

Sytem CMOS checksum bad - default configuration used
Press <F1> to resume, <F2> to Setup

F1 キーを押すと,通常どおり Windows が起動されるが,日付や時刻が初期状態に戻っている。日付が現在の日時と大きくずれているため,IE でサイトが開けません。

画面右下の時刻をクリックして,現在の日時に設定し直せば通常通り使用できます。

これは内蔵電池が消耗していることが想定されます。パソコンによっては充電式の電池を使用しているものもあるが,NH77 はコイン型の一次電池を採用しているらしい。電池の寿命は5〜10年だそうです。lifebook NH77/CD は,2010年に発売だから,もう 9 年も使い続けていることになります。毎回日時を再設定するコマンドを用意して,このまま使い続けることも一案ではあるが,電池が更に消耗すると BIOS 自体が立ち上がらなくなるらしい。

仕方がないので NH77 の電池交換についてのサイトを探してみたが見つかりません。パソコンの修理業者に見積もりを依頼したら,18,000円ということでした。理由は当機種は電池交換が簡単な機種ではないからだそうです。故障でもない,ただ電池を交換するだけなのになぜなんだ〜。

2.情報収集


ノートパソコンは,メモリーの増設やハードディスクの交換くらいしか経験のない筆者には,ノードパソコンの分解は流石にハードルが高い。 しかし,電池の消耗は故障ではない。分解して電池を交換し,元の状態に組み立てるだけである。

機種は異なりますが,内蔵電池を交換している動画サイトを見てみると,なんと液晶画面まで分解しないとマザーボードに装着されている電池に辿り着けない場合があるようです。

4年前に電気工事士の資格も取ったし,半田付けもたまにやったりするので,ダメもとで交換作業を行うことにしました。

とはいえ,いきなり分解を始める前に,心の準備が必要です。少ないながらも NH77 に関する情報や手がかりを集めてみました。

電池の多くは CR2032 というコイン型電池が使用されているようです。

NH77/CD の後継機 NH77/ED の裏面のカバーを外した写真が見つかりましたので拝借しました。

 

NH77/CD には実装されていないハードディスクが追加されています。
第2ハードディスクのカバーには B-CAS カードの配線が繋がっているようです。

キーボードとアームレスト(上蓋)を外した写真がありました。

 

amazon にキーボードが \2,400 で出品されていました。


キーボードの爪の位置が確認できます。

ヤフオクに NH77 のマザーボードが出品されていました。

ボードの左上に写っている丸いものが電池です。パソコンのキーボードのある側から見ると左下の隅の方にあることが分かりました。電池の場所が分かったのは大きな収穫です。

2.分解作業に必要なもの


電池交換作業に必要なものを準備します。すべて 100円ショップで入手できます。

 

1. 交換用電池 CR 2032
2個セットになっている。長く保たせたい場合は国産の電池を購入しよう。

2. ドライバーセット

3. 接着剤に入っているへら
ケースをこじ開けるときに用いる。マイナスドライバーよりキズが付きにくい。
万一,ケース等が破損した場合に接着剤があると便利。

4. ネオジム磁石
ネジを外す時にドライバーの根元に磁石をくっ付けて使用する。

5. ピンセット
ケーブルを外したり挿入するときに使用する。

6. ネジを保管するケース
外したネジを種類ごとに分けて保管する。ネジを締めるときに迷わないように,外した位置に番号を振っておいたり,色の違うシールを貼っておき,ネジを間違いなく元の場所に締めるようにします。こうしないと後で必ず後悔します。

3.分解作業開始


分解作業に当たって,ノートパソコンのディスプレイに傷が付かないように新聞紙などを袋状にして被せておきます。そして柔らかい敷物の上に裏返しに置きます。

ACアダプター,バッテリーを外しておきます。筆者はノートパソコンをデスクトップPCとして使用するので,購入時からバッテリーは外しています。バッテリーを挿入したまま使用すると数年でバッテリーはだめになります。

取り外せる裏蓋はすべて外し,ハードディスク,メモリー,DVD,ダミーカードケースを外します。メモリーは両サイドの留め具をドライバーで広げるとピコッと浮き上がってきます。CPU ファンは上蓋を外してから外すと容易に外せます。手前側の蓋を外す時は B-CAS カードのケーブルが付いているので慎重に外します。余談ですが,筆者はこの PC で TV は見ないので B-CAS カードは必要ありません。受信ソフトもインストールしていません。それでも NHK さんは受信料を要求するんでしょうか?貴重な一票を投じたN国党さん頑張ってください。因みに,筆者は別にテレビがあるので受信契約はしています。

外した部品

ハードディスクは東芝製 SSD(240GB) に換装済みです。

アームレスト(上蓋)を外すために,周りのネジを外して行きます。第2ハードディスクケースの中にもネジがあります。バッテリーケースの中の小さいネジも外します。頭のでかいネジが1つあります。

外し終わったら表向きに返します。

上蓋とキーボードを外します。

写真では簡単に外れたように見えますが,実はここが最大の難所で,写真を撮っている余裕がありませんでした。

最初に手を付けるのはスピーカーの部分のカバーから外します。両サイドにヘラを入れて爪を外して行きます。中程の爪は特に固いので,両サイドから定規を差し込むようにして外します。中程にはスイッチからケーブルが延びているのでケーブルを傷めないように注意して行います。カバーの全体が浮き上がったら,ディスプレイをいっぱいに倒し,カバーの前方にヘラを入れてカバーを浮かせ前方に押し出すようにして外します。カバーを裏返してケーブルを抜きます。

上部のカバーが外れればキーボードは簡単に外れます。両面テープが張られています。中央部分の幅の広いケーブルを外します。ソケットの上の部分を起すと外れます。

キーボードに隠れていたネジとスピーカーの上に付いているネジを外します。

スピーカー,CPU ファン,ポイントデバイスから来ているケーブルを外します。CPU ファンとアームレストを外します。

外した CPU ファンは組み立てる前にしっかりと掃除をしておきます。

一部アンテナと思われるケーブルが付いていますが,手前側からマザーボードを起して裏返します。

極性に注意して新しいコイン型電池 CR2032 に取り替えます。

後は逆の手順で組み立てますが,上蓋を被せてしまう前に動作確認をします。

4.動作確認


筆者は,全部組み直してから動作確認をしました。AC アダプターを繋いで電源投入ボタンを押すと,ブルーのランプが点灯しましたが,数秒後にランプが消えて BIOS が立ち上がってきませんでした。

ケーブル類の接続ミスを疑い,確認のため再度分解作業をする破目になりました。

一旦作業を中断し,気を取り直して翌日作業をすることにしました。
BIOS が立ち上がらないことには打つ手がありません。同様の事例がないかネット検索するとメモリーの接触不良の可能性が高いことが分かりました。神に縋る気持ちでメモリーを差し直し,ケーブル類を確認し,電源スイッチの付いた上蓋とキーボードのケーブルを刺した状態でスイッチを入れてみました。

すると今度は BIOS 画面が無事に表示されました。ヤッターという気分です。

後は,蓋やキーボードを元通り組み直して,BIOS の時刻や BOOT デバイスを再設定すれば万事終了です。お疲れ様でした。

追記1 (2019.07.29)

NH77/CD は製造から9年も経っているので,プラスチックの劣化があります。ネジを外すときにネジ受け部分が破損してしまいました。接着剤とグルーガンで補修しました。老いたといえども性能的にはまだまだ現役で頑張ります。

追記2 (2020.07.07)

CMOS 電池を交換後1年程すると,アームレスト付近の温度が異常に高いことに気付きました。フリーソフトの Core Temp を用いて CPU 温度を調べると 98℃にもなっていました。CPU ファンからやや高いキーンという音が出ていたため,CPU ファンを交換しようと決意し,CPU ファン(KSB06105HB)と,CPU グリスを購入しました。CPU ファンは裏の大きいカバーを外せば取り外すことができました。しかし,購入した CPU ファンは型番が同じでもサイズが違っていたため交換することはできませんでした。ついでに購入した CPU グリスの塗り換えのみを行い様子を見ることにしました。Core Temp で温度を確認すると通常使用で 50℃以下になっていました。CPU ファンの音も静かになっていましたので CPU ファンの交換は延期しました。CPU ファンの型番が同じでもサイズが違う場合があるので要注意です。
最近,動画サイトでなくても CPU 稼働率が非常に高くなるサイトがあります。ファンの回転が高くなったら要注意です。また,システムの設定で CPU 使用率の上限を 100% に設定すると,ターボブーストが働き CPU 温度が急上昇するようです。99% に設定すればターボが働かなくなるそうです。

追記3 (2020.10.02)

CPU 稼働率が非常に高くなる事象が発生しました。メモリも 80% 程消費していました。筆者の PC 環境は Windows7 home 64bit です。リソースモニターで CPU を消費しているプロセスを確認すると,svchost.exe でした。 プロセスを強制終了させても数分後にはゾンビのように生き返ります。
ネット検索では Windows Update が原因という記事が多くありましたが,Windows7 のサポートは終了しており Windows Update はサービスの一覧にもありません。
Process Explorer を用いて,svchost の起動元を調べましたが,分かりませんでした。 怪しいサービスを調べているうちに,Windows Search に行き当たりました。止めても大きな影響がないという記事を信じて停止し,無効に設定してみるとゾンビの復活はなくなりました。
しかし,翌日今度は RPCSS から起動された svchost.exe が CPU とメモリを消費する事象が起きました。RPCSS は停止できないサービスのためお手上げでした。
Windows10 への移行も考えましたが,システムの復元を実施して事なきを得ました。


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